黄桜

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誰かが褒めてくれる時は、星を透明な瓶の中に入れる。折り紙で作った偽物のお星様。踏んだら潰れてしまう、紙のお星様。
とても、とても大事なお星様。でも、その瓶に入っていたはずのお星様がいつからか溜まらなくなった。

「〇〇、好きだよ。」

「〇〇が大事なんだよ。」

『どうして分からないんだよ。』

『お前なんか産まなきゃよかった。』

どうして、溜まらなくなったのか分からない。愛情が分からない、誰かを愛することも、愛される喜びも分からない。愛し方が書かれた本を読んで、試しに行動に移してみたけれど何も感じなかった。

「〇〇って優しいけど、人に興味無いよな。」

「そう?私あの子優しくて好きだけどな〜」

「うーん、なんて言うか〜優しいけど冷酷って感じ?」

「何それわかんねー」

知人の話す会話の種、無視すればいいと言うが噂の情報は耳から入ってくるのだから正確には耳を塞いで過ごせというのが正しいと思うのは私だけだろうか。


愛は溢れた、星は潰され元には戻らない。

お終い

3/16/2024, 4:56:31 AM