ただの中学生

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どこか不思議でふわふわした空間に居た
均等に生えている緑の木々の森を潜り抜けた先には
一昨年亡くなったはずの友人が佇んでいた
僕は友人の名を必死に叫んだ
けれど友人は振り返らない
僕に呆れたのかな
友人はこんな僕なんかを庇って道路の先で飛び込んでトラックに引かれた
僕は見た
ばらばらになった友人の体を
血にまみれた僕の手を
それ以降僕は一度も外に出ていない
出れなかった
僕が外に出る度思い出すから
僕は未だ僕を見ない友人に向かって謝りたかった
でも何故か僕の口は全く開かなかった。
ずっと微動だにしない友人が突然口を開いた
『お前は悪くない。俺がやったことだ。』
『…これ。』
友人は振り向いて僕に小さな箱を渡した
そういえば、事故の日は僕の誕生日だったっけ
箱の中には僕が欲しがっていた腕時計が入ってた
いた。
友人は笑いながら言った
『お前が"こっち"に来るのはまだまだ先だよ。馬鹿。』
僕は言いたいこと全て言いそうになった瞬間光が差し込んできた
…夢か
僕は手にどこか身に覚えのある腕時計を持っていた
夢が醒める前に言いたかったけどお前に向かって言うのは先にするよ
「ありがとう。」
僕は晴れやかな気持ちで腕時計を腕につけた。

3/21/2024, 4:46:11 AM