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『クリスマスの夜』

最近は、よくわからないが不安でいっぱいになり、夜眠れない。昨日、というか今日も寝ついたのは朝方で、確か最後に時計を見たのは4時半だった。次に目が覚めた時には14時だった。さすがに絶望した。クリスマスだというのに半日も無駄にしたということ、ここまで寝ていても誰からも連絡がなく、今年もひとりで過ごすのだと確信したということ。あまりにも馬鹿馬鹿しい。なんだか呆れた。
昨日、家から帰る途中の駅で、帰るのを渋る彼女と、また遊ぼうねと声をかける彼氏を見かけた。正直、こんなところでやってほしくないと思ったんだけど、そういえばクリスマスだからな、と納得した。別に悲しい訳でもないのに、悲しくなくてはいけないような気がして、大きなため息をついた。今日の夜は友達に電話でもしてみようか──いや、きっともうすぐ寝てしまうな。既に寝ているかもしれない。
ひとり、コンビニで買った小さなケーキを頬張っていると、通知音がした。

メリークリスマス!

たったそれだけだった。私の好きな人は、こういうことをする。だから好きなのだけれど、起きているならそう言ってよ、と思った。電話しよう、って言ったら、いいよって返ってくるだろうか。ケーキなんて放っておいて、その言葉を打ち込んでみるか迷い始めた。きっとそうすれば、私の眠れない夜はきっと良くなる。贅沢な夜だと思った。

12/25/2024, 1:49:14 PM