「日の出見に行く?」
君からの突然の誘い。
僕から誘おうと思っていたのに。
そう思いつつも、口元が緩んでしまう。
「さむい」
まだ薄暗い夜空に君の白い息が浮かぶ。
白い息で温めている冷たそうな君の手を握ってあげることができたらよかったのに。
そう思っても僕の両手がポケットから出てくることはなく、握り拳を作るだけだ。
「あ、出てきた」
その声に視線をあげると、薄暗かった視界が橙色に染まっていく。
色づいていく世界の中で君の横顔が何よりも美しくて、目が離せなくなる。
「綺麗だね」
ただ、君の言葉に頷く。
君の方が日の出より綺麗だなんて、僕に言える勇気があればよかったのに。
1/3/2026, 1:25:35 PM