せつか

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こうして貴方とゆっくり話をするのは初めてかもしれませんね。
ここは不思議です。本来出会う筈の無い人達とこうして出会い、同じ目的の為に集まっている。時代も、国も、距離も、何もかもを遥かに超えて。

私はここに来られて良かったと思います。
あぁ、ほら。
今夜は特別冷えるから、星がこんなに綺麗に見える。
寒い季節の暮らしは辛いものですが、見上げればこうして数多の星が私達を見守っている。それだけで、少し冬が好きになれそうだと思いませんか?

数え切れない輝く星。
私はここに集った皆が、星そのものなんだろうと、最近思うようになりました。
貴方が私にとってかけがえのない友であったように、ここに集う皆が誰かにとって輝ける星で、星を見上げる誰かもまた、別の誰かにとって星なんだろう、と。

強く輝く星もあれば、弱く小さく光る星もある。
燃え尽きそうな星もあれば、生まれたばかりの星もある。そうしてみんな、輝いているのでしょう。

私にとって××は、輝く星空そのものでした。
誰一人、欠けて欲しくなかった。
貴方も、彼も。こう言ったら貴方はまた辛そうな顔をするのでしょうね。でも、本当にそう思うのです。
もっと早く、想いを言葉にすれば良かった。
飲み込み続けた言葉は紡がれる事なく消えてしまって、もう二度と彼等に、貴方に届ける事が出来ません。だから今は、ここにいる今だけは、想いを伝えようと思うのです。

上手く伝えられるか分かりませんが、時々こうして話をしてくれますか?

あぁ、やっぱり。
そうして貴方は泣くのですね。頬を伝う雫が、まるで星粒のようですよ。


END

「星空の下で」

4/5/2024, 4:57:48 PM