久しぶりに訪れた商店街の本屋。
何時ものように漫画や小説を買い物カゴへポイポイと入れて、一つ下の階へ降りると二月前から様変わりした文具スペースに思わず足が止まってしまった。
なんにもない。
各メーカーごとにまとまって置かれていたペン類も、バラ売りからセット販売もののノートやルーズリーフ、ガラスケースに入っていた高級万年筆やコピー用紙まで。
フロアの棚の半分がスッカラカンとなっていて、残っているのはカレンダーとポチ袋くらいだ。
……え、何事?とキョロキョロしながらフロアを彷徨いていると、数メートル離れた休止中のレジカウンターに一枚の紙が揺らめいているのが見えた。
最近は老眼も入ってきて遠近ともに見辛くなったというのに、その紙に書かれた文字は何故だかハッキリクッキリと見えた。
ああ、メイリオだからかな、なんて現実逃避。
テーマ「通り雨」
9/28/2024, 3:32:10 AM