「これが言ってたやつ?」
「そうだよ、送り火と言ってね。お盆で帰ってきた人らを空へ送るための火なんだよ。おうちがわかるように目印としてやる迎え火ってのもあるんだがね。」
「へぇ~……燃やしちゃって熱くないのかな?」
「う~ん…わしらにとったら熱いかもしれないけど、ばあちゃんにとっては暖かいものだといいなとじいちゃんは思うよ」
「…多分暖かいとおもう」
「そうかい?」
「だってじいちゃん、お盆の間ずっとニコニコしてたからばあちゃんも嬉しかったとおもうよ。嬉しいとポカポカするでしょ?」
「…こりゃ参ったな」
ばあちゃんとの時間を惜しむように火を見つめるじいちゃん。
寂しそうではあったけど、来年の迎え火は一緒にやりたいなって言うと「じいちゃんが帰ってくる側じゃなかったら一緒にやろうな」なんて言うもんだから、約束守んないとお酒お供えしてやんないからねって釘指して視線を上へ向ける。
もくもくと上がる煙はなんとなくゆっくり空へ向かってるように見えた。
またね、ばあちゃん。
「遠くの空へ」
(私のばあちゃん生きてるけど(笑))
8/17/2025, 2:00:23 AM