暗く冷たい海の底に沈んでいく貴方を、
繰り返し繰り返し、何度も夢に見る。
それは幻ではなく、確かな現実。
私の目の前で貴方は海に飛び込む。
私は貴方のその潔さが好きだった。
けれどその潔さが貴方を失わせた。
大海の渦潮を見るたびに貴方を思い出す。
貴方はどんな思いで私を振り払ったのか。
なぜ、私を一緒に連れて行ってくれなかったの。
なぜ、私とともに生きる道を選んでくれなかったの。
昔の私はただ泣きくれるだけだったけれど、
今の私は海に沈む貴方を追いかけて行ける。
いつか貴方が散った海に私は飛び込んでいく。
―――…だから、
貴方はそこで私を受け止める腕を広げていて。
【海の底】
1/20/2024, 12:04:50 PM