きっと明日は晴れるはず。
大丈夫だよ。
そう言って姉は眠りについた。
姉の言葉を信じた。
信じていたかった。
ある日地球の水は枯れ果てた。
馬鹿な人間が使いすぎたから。
世界は砂漠と化し、すべての生き物が自分の死を悟った。
そんな時科学者がある発明をした。
砂を原子分解して、雨雲を作る装置。
みんなで協力して使えば世界を救える大発明。
なのにね。
馬鹿な人間はそれを独り占めし、怒った他の人間は装置を壊した。
壊れた機械は、世界を水没させる兵器となった。
その日から、雨が止むのを見たものは、一人もいないのだと言う。
恐ろしい兵器は徐々に故障し、死んでいった。
あと二人だけ。
そう。
私と姉は、あの恐ろしい兵器だ。
姉は、明日は晴れると嘘をついて眠った。
もう目覚めることはない。
私の涙は、もう雨か涙かわからない。
私はこの世界の全てを砂と認識した。
温もりも感じない機械である姉を抱きながら、私のたつ地面は、私に吸い込まれ、雨となり、
埋もれていった。
9/30/2024, 12:31:56 PM