暗がりの中で
たとえ今が太陽の昇る真昼であろうと、月が隠れた夜中であろうとたいした違いはない
道を見失い、手当たり次第手がかりを探しても何も見つからない
声が枯れるまで叫んでも誰の耳にも届かない
ただもがくことしか許されない
そう気付いた時に初めてなにかを見つけた気がした
足が動かなくなるまで走り、声の限り叫ぶ
姿がないものは助けてはくれない
縋っても助けてはくれない
ただもがいていた身体を起こし
ただ叫んでいた口を食いしばる
そうして溜め込んだ力で立ち上がるのだ
立ち上がって顔を上げる
その先にはきっと差し伸べられた手が待っている
10/29/2022, 10:17:20 AM