ななしろ

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 星降る夜に旅立った君よ。あれから幾年が過ぎただろう。かつて小さな子供であったぼくたちの記憶は遠い空の向こうに取り残されたまま。背丈が伸びようと、あの頃より高く手を伸ばそうと、瞬く光には届かない。君だけが幼さを残した姿で星の間を駆けている。そんな夢を未だに見る。
 別れの言葉も交わせなかった君よ。ただひとつ心残りなのは、最期までぼくの友でいてくれた感謝を伝えられなかったことだ。もう帰ることはできないあの夜を思いながら静かな水面へと花を流す。そしてこの川が遠くの銀河まで続いて君のもとへまで届きはしないかと、宝石を散りばめたかのような空を見上げながら祈った。

5/4/2023, 9:35:09 AM