#終わりにしよう
「今でも好きだし、たぶんこれからも好きだよ」
そう、笑って手を絡めてくるすちくん
「ぅえ、、じゃ、なんで…?」
困惑して、涙がでて、すちくんの手を握りしめる
離したくないのに
「好きだけどね、うーん、、なんて言うのが正解かな」
困ったように眉を下げて、また笑う。
なんで笑うの?俺と離れるのが、嫌じゃないの、?
俺の心を読んだのか、すちくんは優しくて、安心する笑顔で俺の額に唇をつける
小さなリップ音と共に、額の感触が消える
「好きだけど、終わりにしないとかなぁって」
理解ができなかった。何を言ってるのかがよく分からなくて、とりあえずすちくんの事を離さないよう、さらに強く握りしめた
「ねぇ、みことちゃん」
すちくんの冷たい手が、俺の頬に触れる
すちくんは、ずっと笑顔を崩さなくて、俺は、ずっと泣いてて
さっきよりも優しくて、安心してしまうすちくんの笑顔をみて、つい握っていた手を緩めた
すちくんの手が俺から離れてやっと、俺からすちくんの手を離してしまったことに気付く
「ぁ゙…」
離れて、離れて、どこかへ行ってしまいそうなすちくんに手を伸ばす
それでも結局届かなくて、自分で届かせないようにしていて、俺は結局
『すちくんに嫌われたらどうしよう』
という恐怖に縛られているだけだったのかもしれない。今あの手を取って、すちくんが拒否したら、それを見たくなくて、知りたくなくて、ずっとこの場ですちくんから助けてくれるのを待つだけで
…あ、でももう終わりにしないと、なのか
嫌われたくない、なんてもう気にしなくていいはずなのに
7/16/2024, 9:27:41 AM