眠り子

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行かないで

また同じ夢を見た。
あの日と同じ星空の下で会話をする夢。
幸せだった。
彼に触れようとした途端、悲しげな顔をし背を向けて歩き出してしまった。
待って行かないで、行かないでと何度も叫んだ。
星空も彼も遠く離れていった。

「行かないで!」
自分の泣き叫ぶ声で目覚めた。そこに星空はなく。
見慣れた自室がそこに広がっていた。
「何度目だろ、この夢」
気持ちを落ち着かせるため、白湯を飲む。
いつになったら、気持ちに折り合いをつけられるのだろう…。
その問いに答えてくれる人はどこにもいなかった。

10/25/2022, 9:57:33 AM