鶯になりたかった鳩

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夢のなかで 散歩をしよう
君は速かった 全力疾走の最中
ピンク色の舌が 笑みから溢れていた

夢のなかで ご飯をあげよう
君のお腹が 空かないように

夢のなかで たくさん触れよう
口角のあがっている君は 目を閉じている


トンネルを抜けると そこには海があるらしい——
君も僕も 不思議と 歩みが早くなる

波の音は 激しく (ザァ、ザァと表すべきだろう)
僕たちは 思わず 顔を見合わせた

海が見えた フナムシもいた
そして 君が リードを強く引っ張った


夢のなかで 毛を梳こう
赤茶の毛の艶が もっともっと 輝くように

夢のなかで 芸をしてくれないか
君の得意だった 「おかわり」を

君は助手席に乗って 景色を見ることが好きだった
窓に鼻までくっつけて 何を見ていたんだろう

上手にシートに腰掛ける君
僕は 鍵をロックした 「落ちないでね」


夢のなかで逢おう
君の大好きだった 公園で


「友情」

7/24/2023, 10:30:12 AM