もち米

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「地面からの手紙」
「もっと知りたい。何故だろうか、私は大抵の人の考えていることは全てわかってしまう。
相手の仕草、相手のふとした眉をひそめる顔表情から、全てを分析し、ふと相手の思っていることはわかってしまうのだ。 なぜなら、常に相手の顔色を伺ってきた人生だからだ。
しかし、私はあなたに出会えて強くなれた。
ありがとう。
ただ、あなたのことだけが分からない。不思議だ。あなたが何を考えて、どんなことで楽しみ、どんなことで苦しむのか。知りたかった。もっと、もっと知りたかった。あなたの人生を花咲かせるような、、そんな自分でありたかった。すまない。それと、ありがとう。」
私は泣き崩れてしまった。これを書いたあなたはこの世界にはいない。
私はあなたと共に生きることを許されていないの。なぜって?私は最初から知っていたのよ。見えていたの。あなたが、私に大きな嘘をついているって。でも、私は優しいから。受け入れたの。この運命を。まさか、あなたが私のことをこんな風に思っていたなんて。でもね、あなたは大きな罪を犯したのでしょう?止められなかったのでしょう?自分の欲求を。だから、ずっーと、人の顔色を伺ってきた。私はもう、縛られないわ。たとえ、同じ運命になったとしても。だから、もう。
これ以上私のようになる人がいませんように。さぁ、早く私のところにおいでなさい。思う存分可愛がってあげるわ。
とは言っても、あなたはわたしとおなじ世界には来れないでしょうね。だって、あなたは、苦しまなければいけないもの。
その苦しみを乗り越えた先に私が待っているわ。それにしても、面白いわね、あなたは全く変わってない。どれだけ、私のことが好きだったの?笑えちゃうわ。だからと言っても、酷すぎないかしら?いくら私を愛しているからって、私を殺して、棺の中で保管しておくなんて。今頃あなたは泣きながら、苦しみと喜びの連鎖があなたを襲っているのでしょう?あなたは変わらない。前世のままね。もう、飽き飽きしてるの。あなたは、まだこの世界には来れないけれど。私は待っているわ。何百年、何千年、何億年でもね。私も、もっとあなたのことが、、、もっと知りたいわ。そして、話しましょう。私のことが嫌いになるくらいに。
今度こそ来世では、さようならよ。

3/12/2024, 12:58:15 PM