大切なもの
小学1年生の頃に大切なものがあった。それは
"太陽に当てるとキラキラして綺麗な宝石"だった。
それは、学校の運動場で拾ったもので、当時の私は「綺麗!」と思ってポケットに入れた。
見た目は白くて宝石みたいな形をしていた。
さらに太陽にかざすとキラキラ光ってすごい!と思っていた。
拾ったそれを友達にも見せたりして、さらに学校で「大切なもの」というお題で綺麗な宝石を発表したりもした。
この綺麗な宝石を仕舞う場所が欲しいと考えて、家の中を探していたらキラキラした箱(横7cmくらいの)を見つけたので、「宝物ボックス」と名前をつけてそこに綺麗な宝石をしまった。
ある時、綺麗な宝石が無くなっている事に気づいた。当時の私は結構ショックを受けていたと思う。
しかし2年生になる頃にはほぼ忘れていた。
ただ、その綺麗な宝石は無くなってしまったが
「宝物ボックス」の中身だけはじわじわと増えていった。例えばキラキラしたビーズだったり、父からくれた珍しい切手だったり。
低・中学年の大切なもので溢れていた。
時は流れて中学3年。今思うと綺麗な宝石も服とかに着いてるやつだし、ビーズだって百均で売ってる。(切手はほんとに珍しかったのかもしれないが)
子供の頃はそんな物が「大切なもの」だったのに、今となってはそれらは正直ゴミにしか見えない。
でもあの綺麗な宝石のキラキラした感じは覚えている。すごい!というワクワク感。
多分もうあのワクワク感は味わうことはないんだろうなと思いつつ。
「宝物ボックス」をゴミに捨てた。
4/2/2023, 2:31:21 PM