「ずっと聞きたかったこと」
初めて会ったはずなのに、そんな気がしない。
自分と似ていると感じるその男性に手を伸ばすが、触れることは出来ない。
聞きたいことも、知りたいことも、ありすぎる。
なぜ母さんを置いていったのか。
本当に母さんを愛していたのか。
そして、俺のことは……
いつか会える時が来たら、聞きたかったことが溢れ、頰に伝う。
何も言わずただ微笑む男性の姿が、薄くなっていく。
ずっと見守ってくれていたと、思ってもいいのだろうか。
────夢が醒める前に
3/20/2024, 2:38:52 PM