22時17分

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力を込めて、スロープを登っていた。
この地方に、秋雨と秋風がやって来た。
昨日よりかなり肌寒い。天気アプリを見ると最高気温21℃、最低は……16℃である。
これは結構なものかな。
衣替えなんてしていないものだから、タンスを漁って一枚羽織ってきた。水色の薄いパーカーの下は、灰色の半袖。
急いで電車の中に逃げ込むと、ぬくもりを感じた。

朝の通勤電車の窓を叩く極小の雨粒。
そのひっかき跡を見て、折りたたみ傘を開く準備をした。
改札から出て、通勤の最寄り駅より南口。傘を開く。
雨脚はなんてことはなく、そのまま職場の玄関口へ。
そこで、力を込めてスロープを登っていた人がいた。

あっ、ヤクルトの人だ。
と素直に思った。
両手を前に、拳を出すようにして、ヤクルトカー(?)を押している。たった四段の段差のために設けられた斜面を、一人で頑張っている。
時間にして数秒のキョリ。
登ったあとに、警備員の人に「ここで雨宿りしますね」的なことを言っていた。
いつもは四段の段差を登らず、植木の木陰のところで待っていたような気がした。
しかし、今日は雨模様だから、わざわざスロープを登って雨宿りしにしたのだろうか。

そんな数秒のことを思い出しながら、こんなアプリにネタとして出す。
書いている時の帰りの通勤電車。窓はちょっとばかし曇っていた。そんなに外は寒いのかな。
ヤクルトのように、新鮮な風が打ち付ける。
夜の温度低下の裏付け。

10/8/2024, 9:37:45 AM