天を舞う貴方を見た。
でも、纏う服の色も、眼差しも、雰囲気も何もかも異なっていた。それでも、魂が告げていた―――「あの人だ」と。
生きていた。半月、行方の知れなかったあの人が。
それだけで充分だった。
『記憶を失ってしまったのではないでしょうか』
それが何だ。
『そこに、あのような洗脳を……』
それが何だ。
それが、あの人を諦める理由になるのか?
たとえ自分のことを覚えていなくても。
自分のことを敵だと思い込まされていても。
貴方が貴方であることは変わらないのだから。
3/25/2025, 11:49:14 AM