遠い足音
朝、時刻通りに豆から粉となり、コーヒーが抽出される。
居間全体に香ばしい匂いが漂い、目覚めの1杯が出来上がる。
僕は2階からよぼよぼのおじいちゃんの様に階段を降り、玄関に出て背を伸ばす。まだ、新聞は来ていない。
朝食は、パンとコーヒーだ。ルーティンの一環だ。テレビをつけ、ニュース、天気を見ながら食事をする。毎日同じ様な仕事着に着替え、行く前に、弁当を詰め込む。
部屋に行き、ベッドの布団を治し、カーテンを開け、ゴミを集積し戸を閉める
「さぁ、今日も明日のために生きるか」
同じ日常が始まる。
ルーティンを少し変えたいなと思ったが、変えたら変えたで落ち着かなく、結局はいつもの日常だ。
何かを変えるには、それなりに勇気がいる。
勇気がないんだなと、実感する毎日だ。
仕事がいつも、自然と人相手なので、毎日内容が違う。
だから、余計なのか、せめて日常に平穏も求める。
車の窓を開け、自分に気合いをいれると、風が冷たいのがわかる。冬はもうすぐだ。
仕事には辛い日々が始まる。
今年の夏の強烈な暑さを思い出しながら、
じわじわ近づいてくる、冬の遠い足音を噛み締めて
今日も、とりあえず生きてみる。
10/3/2025, 3:09:26 AM