10 変わらないものはない
私の腕に抱かれている〝彼女〟はとても綺麗だ。
青色の薔薇で髪留めされたウェディングベールから透けて見える顔色は死人のよう。眼窩は落ちてしまって深く窪んでしまっているけど、そこがまた愛らしい。
栗色の〝高級糸〟を使い、刺繍で施された純白のドレスは脚が露わだ。
肌の皮膚は乾いてしまって骨の上に張り付いている。ずいぶんと細くなってしまったわ。ガリガリのゾンビみたいでこれがまた、愛おしくてたまらない。
ああ。無条件に、本能的に、服従してしまう。
彼女に口付けし、ぴちゃぴちゃと唾液を垂らして舐め取る。時には軽く歯を立てて、彼女の反応を引き出す。
ぱっと見ると彼女は何も語らない無機物で反応がないように感じるかもしれないけど、私にはわかる。彼女の呼吸が徐々に荒くなり、上気した顔を隠すようにうつむくのだ。
露わになった彼女の脚に手を置き、すっとドレスの中に滑らせた。目的の場所にたどり着いた私は、夢中になって彼女の秘部を弄った。
造られたものは常に変化し消滅していく。
すべてのものは、ずっと同じままではないんだって。
いつか私たちの関係も――。
12/26/2024, 1:22:08 PM