シロツメ ナナシ

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『もう一歩だけ、』


今よりも、
もう一歩だけ、

昨日より、
もう一つだけ、

明日のために、
もう一度だけ、


「今の自分」を超えることを
私はずっと分からなかった
今だってまだよく分かってない
超えても喜びが薄くて…
それよりも他人を目標にする方が
何倍もやる気になったり
具体的だったりしてわかりやすい
超えた時の喜びもとても大きい

…けど、また超えられる
頑張って超えたのに
私が超えた人たちは
私をまた超えていく
超えては超され また超えて
超える喜びを感じてるはずなのに
なんだか途方もない感じがして
気がつけば
私は…、越えられなくなっていた


歩けど歩けど
人が私を超えていく
私の努力も頑張りも
割とあっさり
超えていく、越えていく、


私は思わず振り返る
自分の後ろを見たくなった

後ろはまるで真っ暗で
まえはまるで真っ白で
私は自分が分からない…


辛くなって思わず倒れ
何も無い空を見上げていた

何を求めてるんだっけ?
私はどうなりたいんだっけ?

たくさんの自問を繰り返して
たくさんの嘆きを吐き出して
たくさんの涙を流しまくって
私は、ゆっくり立ち上がって

今できる一歩を踏み出した


……できる
なんとか……できる、

もう、1歩だけ、


………もう 1歩だけ、



………―――もう一歩だけ、…!


〜シロツメ ナナシ〜
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8/26/2025, 5:48:32 AM