『夢へ!』
校長先生と来賓の方の長話がやっと終わる。
約一か月前に聞いた気がするせいか
初めての高校イベントはものすごく眠たい。
もっと緊張とかワクワクで目が冴えるかと思ったけど、
そうでも無かった。
そして最後の長話であろう生徒代表の人の話が始まる。
これで最後かもしれない。
あくびを求める体をグッとこらえて先輩の話に耳を傾ける。
『ーーー。』
その先輩の声を聞いた瞬間、眠気が吹き飛んだ。
タイプの声とかそんなんじゃなくて、
声の重さとか話し方とかどうも聞き入ってしまう声だ。
今までに無い体験に汗がぶわっと出てきそうだった。
『最後に、素敵な高校生活を過ごせるよう
日々を悔いなきようお過ごしください。』
先輩の話が終わった。
あの人の声。もっと聞きたい。
自由時間になったら急いであの人を探しに行きたい。
今までに無かったこの感情を先輩なら教えてくれるだろうか。
そんな思いの中始業式は無事に終わった。
語り部シルヴァ
4/10/2025, 11:02:44 AM