ジョン

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無色の世界

 三方向を壁に囲まれた埃くさい四畳半は、鉄格子の向こうを夢に見せる。壁をつたわる外の気配が、私に反省を促した。
 無限に広がる空想の世界が、かえって私の身柄の不自由を確固たる現実のものだと認識させた。惨めさを紛らわすために、再び格子の前にたち左手を壁につけた。壁に奪われる体温は、私を四畳半に引き戻し、無限の世界は無色であったことに気がついた。

4/18/2026, 3:12:11 PM