『飲みにいこー』唯一の男友達にLINEを送ると、直ぐに既読が着いた。
『いつものとこなー』と、軽い返事。
言われたとおりに「いつもの居酒屋」へ行く。
もう彼は先に着いていた。
「「かんぱーいっ」」カツンッとグラスが当たる音と共に日々の疲れを癒すべく喉にアルコールを流していく。
遠くで「飲みすぎんなよ」と、いつもの声がした気がしたが気にしない。
何時間経っただろうか、夜の街が賑わい始める頃。
「ほら、もう終わりにすんぞ」と、グラスを取られる。
睡魔に襲われながら、彼に体重を預け駅に向かう。
家に着いた頃には午前0時を回っていた。
「我が弟よぉー大きくなったなぁー!!はっはっは」酔っ払いはよく喋る。彼の頭をわしゃわしゃと掻き回しているとその手はベッドに寝かされた。
私をベッドに下ろした彼は寂しそうに帰って行った。
「俺は弟じゃない。お前が好きだ、。」
ドアを閉める直前、俺はそう呟いた。
どうやら俺も相当酔いが回っているらしい。
あいつの大切な"者"になれたらな。
大切なもの。
4/3/2024, 3:42:35 AM