すべて物語のつもりです

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 いつも、何気ないふりをしてくれてありがとう。
 いつも、さりげなくやさしくしてくれてありがとう。
 いつも、隣にいてくれてありがとう。
 いつも、迷惑かけてばかりでごめんなさい。
 いつも、いつも、ごめんなさい。
 約束、守れなくてごめんなさい。

 滲んだボールペンの文字をなぞる。
 彼女は、これを書いていたとき、泣いたのだろうか。
 泣くぐらいなら、あの、繊細な涙を流すくらいなら、踏みとどまってくれてもよかったんじゃないか。
 薄い便箋に雫が落ちて、彼女の丁寧な字が読めなくなる。
 わたしこそ、ごめんなさい。
 胸にたまりつづけるこの思いは、だれに伝えればいいのだろうか。

3/30/2024, 2:00:35 PM