目を覚ますと恋人が腕の中に収まっていて安心してしまう。
無防備な表情で眠っている彼女をどうしようもなく愛おしいと感じてしまい、起こさないように抱きしめた。
温かくて愛おしさが増す。
この都市に来たばかりの時には、こんなふうに大切な人ができるなんて思わなかった。
あの時はひとりきりで、色々迷っていた。
何をしていきたいかは分かっていなかったけれど、みんなの背中を支えられるようになりたかったんだ。
今の俺はひとりじゃない。
彼女とはいつか家族になれたらとこっそり思っている。
この都市に来て、それくらい願う人に出会えたんだ。
もう、ひとり戻れそうにない。
おわり
四八三、ひとりきり
9/11/2025, 1:01:32 PM