画面の向こうにいるあの人はどんな姿をしているのだろう。きっとこのイラストのように、イケメンで高身長で勿論声も性格もいい素敵な人に違いないわ。
だが、現実というものは残酷であり私が溺れていた夢にはヒビが入った。画面の向こう側のあの人は、私の理想とはかけはなれたものだった。
「嘘つき、嘘つき嘘つき!」
理想のあなたじゃない、あなたなんて私いらない。
そんな偽物いらない、私は画面の向こうのあなたを信じてる。ねえ、目の前のあなたは嘘よね。
ちゃんと、確かめてあげる。あなたが本当のあなたになれるように私が助けてあげる。
決意を固めて、部屋のチャイムを鳴らした。
「はーい。」
ガチャリと金属音をたてて開いた扉の先は、やはりあの人ではなかった。
「裏切り者が!」
私は手に持っていたナイフをそいつに突き刺しってやった。
理想のあなた以外は、いらない。
お終い
5/21/2024, 6:40:24 AM