ほんの出来心だったんだ。
「どーこ。どーこ。」
俺は布団の向こう側から女の声を聞く度、非日常のスリルを味わいたかった彼女と二人で噂の心霊スポットへ肝試しした事を後悔していた。
ごめんなさい。ごめんなさい。
「……。」
必死に心の中で懺悔する俺の願いが届いたのか、女の声が近くでやんだ。良かった助かったようだ。
ホッと胸をなでおろすと、ふと視界が少し月明かりで明るくなった。
「みいーつけた。」
「あ、あ、本…当においていってごめんなさい。」
《スリル》
11/13/2023, 7:38:20 AM