耳障りな甲高い囀り
歩みを妨げる亡霊の群れ
焦土から叫べば響くだろうに、彼等は口を噤むのだ
そうして今日も、よく似た塵が降り積もる
アスファルトを打つ水滴が
雨でも、雪でも、芥でも
もはや誰も気付きやしない
彼等は見上げることを諦めてしまった
だから、真似た仕草で感染する
皆で渡れば怖くない
指先一つは刃となり、死んだ瞳は三日月となる
霧の中、灰色の森を進む
足裏で乾いた枯葉の割れる音がする
逸る鼓動と白い息
聳える大樹を掻き分けて
百年河清を待たずとも
(心のざわめき)
3/15/2025, 1:46:38 PM