遊橙

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やわらかい日差しとそよ風が吹く今日このころ。

依頼を終えた帰り予定より早く終わったこともあり二人は草原で身を任せ日の光を浴びていた。

心の底から満たされた顔をする少年を青年は安らかな瞳で見た。
二人はわけあって一つの場所に留まっていなかったが、それが良かったのか今のとこ互いに衝突するレベルの不満はない。

そのことに安堵すればいいのかはわからない。が後悔はなかった。

そのように青年が思っていると、少年がこちらに身体を向け青年の名を呼ぶ。
少年は少し赤面しながら、一緒にいてくれてありがとうとぽそりといった。

青年は目を見開き驚いたが、互いに同じようなことを考えていたことに心が温かく感じた。
ゆるりと目を細め返事をする青年に、少年は頬を赤らめながら笑った。

3/15/2024, 12:17:03 AM