名無し

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夢見る心


それを持つこと自体が大切だと。
それこそが尊いものなんだと。
先生が言った。

私は反対した。少しして後悔する。意味の無いことだと。
私が周りに賛同できないのと同じく、周りも私に賛同できないのだから。

「だって、夢というのは、他人に押し付ける考え方のことでしょう?」
自分自身で何とかできるなら、それは夢にならないでしょう。周囲の環境を思うがままに動かしたいと願う気持ちのことでしょう。常軌を逸した現象を起こそうと奮起するようなものでしょう。
どうして、そんな無駄な行為を敬うことができるのかな。
独りぽつりと呟いていた。



夢を見ていた。
思い描く理想じゃない、眠る時に流れる記憶整理の映像。
むかしむかしの、嫌な記憶。

直ぐに気付けて、周りの支配を逃れられたことは、幸運だったと言えるだろう。
けれど、何も気付かず、知らないままで、考えないで生きていられたのなら。それも一種の自由だったんじゃないのかな。

籠の中の鳥は自由を夢見るけれど、外を歩く野良猫は安全な場所を望む。
夢を見るのと、強い願望を抱くのと、
私は後者が良かった。ただ、それだけなのに。

4/16/2026, 2:10:14 PM