楠征樹

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《My Heart》#22 2026/03/29
※『リコリス・リコイル』二次創作小説

 "Heart"は心臓であり、感情であり、そして…愛情。
 私の"愛情"は、千束がくれたものだ。
 私のこの胸にぽっかりと空いていた空洞を、自分では認識すらしていなかった真っ暗な穴を、千束が埋めてくれた。
 千束が持っていた底抜けな明るさと、人を愛するという温もりで。

 私には、千束にあげられるものが、何も、無かった。
 千束は、私がかろうじて持っていたもの、全てを持っていたから。

 唯一……唯一、心臓だけは……
 千束になら、あげても良かった。
 私がこの世から消え去ることになっても。
 でも、それを果たす方法は無かった。

 だから。
 その"心臓"があると知った時。
 私は、どんな手段を用いても、どんな犠牲を払っても、例え、千束に止められても。

 それを、手に入れなければならなかった。
 私が、手に入れなければならなかった。
 千束に、あげなければならなかった。

「たきな!もういい!」
「離して!!」

 心臓が!千束の心臓が!
 私の!大切な!想いが!

「心臓が!逃げる!」

 千束が、死ぬのは……
 私が、私自身より、大切なものを喪失するのは。

 嫌だ……

3/28/2026, 7:11:01 AM