罠話

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えんじょーい
音楽はなり続ける
いんじょーい
届けたい胸の鼓動……


「やっぱ盛り上がるならこの曲っしょ!」
友達数名とカラオケに来た
今日は特に記念日という訳でもないが、そういう気分だと一人が言い出し、イツメンの3人が集まった。
「好きだねーその曲」
nobodyknows+のココロオドルを最初に歌うのがこの3人カラオケの定番になっている
今回もまたこの曲が最初であった
「これが一番最初にバチッと盛り上がれんのよ!お前らも合いの手入れろよ〜!」
長いラップパートを歌いながら器用に喋りかけてくる
「器用だなこいつ」
「ほんとにね〜」
歌っていない2人はリズムに乗りながら歌い手を見ている
「そういや、面接落ちたわ」
「えっマジ〜?」
突然なことを言いだした
普段から真面目なタイプに見えるため、嘘ではないようだ
「え、え〜まじかぁ、なんで今??」
「……いや、」
ここで曲がラスサビに入った

えんじょーい
音楽はなり続ける
いんじょーい
届けたい胸の鼓動

「なんか、今なら言える気がして」
「そ〜でっか」
適当に返事をしてドアすぐ横の壁掛け電話の方に歩き出す
かなり長い時間電話をかけ、戻ってきた
「ま、今だけは曲にノって忘れよ〜」
「ん……、そうだな」

ココロオドル

10/9/2024, 2:21:54 PM