鉄道で延々と西へ向かったことがある。サクッと、安全な範囲で1人になりたかったが、大動脈的なあの路線じゃ、どこまで行っても暮らしがあった。窓という窓に誰かの日常がある。逃げ場なんてないのだなと、思った。
帰りたいと思う、どこかへ。でもどこへ。
私の故郷にあなたはいないしあなたの故郷に私はいない。
16年経った今も、結局ここは見知らぬ街なのかもしれないし、16年経ってしまったから、18年生きた場所が私を歓迎しない。あるいはその私を私が歓迎しない。
(見知らぬ街)
8/24/2025, 12:56:04 PM