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窓から見える外

窓から見える外は明るくてパラパラと小さな粒が降っていた。その粒の正体は小雨の雨だ。私はさみしげに窓から見える外の景色をじっと見つめる。見つめながらぼーっとしていると階段を登る足音が聞こえた。私は即座に布団をかぶる。「あんた何やってるの風引いてるんだから窓開けないで」そう言いながらお母さんは窓を閉めて出ていった。私はお母さんの言葉を無視して窓を少し開けた。数分後タッタッタッという足音が外から聞こえた。私は布団から飛び起き外にある歩道を見た。すると一人の少年が私に向かって手をふった。私もそれに応じて手をふった。するとその少年は「早く元気になってね」と言ってまた駆け出した。あの少年は1週間前から来る子。あの少年だけが私に元気をくれる最高の癒やしだった。でもこのとき私は知らなかった。あの少年の正体を。

9/25/2024, 11:36:36 AM