私は○○さんが嫌いだ。在り来りなお世辞や綺麗事ばかりでまるで作り物を見ているみたい。あの笑顔の面の裏側に何が隠れているのかと思うとゾッとする。
そんな誰でも思うような苦手意識を持ちながら学校に通っていた時に先生から呼び出しをくらった。提出物もちゃんと出しているしまわりからの信頼度にも最善を尽くし注意している。陰口もあまりまわりとの交流が深くなくてある程度仲がいい子に限定もしている。先生に「どうされましたか?」と声をかける。
「前に出した作文で入賞を取ったぞ。おめでとさん!」
一瞬そんなことで昼休み終了残りわずかで呼び出したのか...と不服に思ってしまったが、「ありがとうございます!!」と笑顔を顔に貼り付けた。
「お前って欠点とかあんまりないよな」
「漫画とかの優等生キャラっつうか。作り物みたいだな!」
「え...あ...」
褒め言葉なのだろう。一見褒め言葉に見えるそれは私の中で1番刺さる言葉だった。他人のお面の裏側を気にしすぎて自分の面を裏返して確認するのを忘れていた。言葉の鈍器で叩いてきた相手に私は
「そんなことないですよ笑!」
と在り来りな言葉を渡した。
8/23/2023, 6:04:24 AM