"I LOVE..."
午前中空いているので、久しぶりにクッキーを作っている。
──やっぱり楽しい。
数週間前から『久しぶりに作りたい』と思っていたので、昨日の夜材料を選んでいる時は少しはしゃいでいた
分量はいつも作ってた量より少ないはずだ。それなのに生地が多く感じるのは、浮かれている証拠だろうか。
型を抜いたクッキー生地を天板に並べてオーブンの中に入れ、時間をセット。
──あとは焼き上がりを待つだけ。
居室に向かって、自分用の袋と付属の針金入りのリボン、ラッピング用の袋とリボンをそれぞれ一つ持つ。ハナがリボンにじゃれてボロボロにしないか、買ってきた昨日からひやひやしていたが、買った時と変わらず、蛍光灯の明かりを反射して綺麗な光沢を放っている。
一瞬卓上のメモ用紙に目がいったが、すぐに顔を逸らして居室を出て台所に戻る。
しばらくして、オーブンから焼き上がりを知らせる音が響き渡る。扉を開けて天板を取り出し、クッキーの焼き上がりを見る。
「おぉ……。綺麗に焼けた」
味見の為一枚食べる。
問題ない事を確認すると、クッキーを一枚一枚、割れないように慎重に袋に詰めて、リボンで口を蝶々結びで縛る。残りのクッキーを自分用の袋に入れていき、針金が入ったリボンで口を閉じる。
自分用の袋とプレゼント用の袋を診察室のデスクに置く。
──早く来ねぇかな。
などと思いながら、ハナの遊び相手になる為に居室に戻った。
1/29/2024, 1:57:52 PM