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【透明】#1

『…こ…きょう…こ』
「京子?どこに行ったの?!」
『綾子かあさ…?』
「京子っ…。もしかしてさらわれたのかしら…。どこにいるのっ!京子!」
『かあさ!かあさ!わっちゃはここにおるます!』
私がお母様に手を伸ばすと…お母様の体をすり抜け転びそうになった。
何とか体制を直して自分の体を見てみた。
『わっちゃのかりだがねい!わっちゃのからだがねい!』
私はたじろぎ、私室の鏡を見た
『わっちゃはどこにいるの?もしかちておあたまもにゃいの?』
私は自分が透明になっていることに気づいた。その瞬間頭がくらりとして…
『わっちゃ……の…か…らだ…うぅっ!』
私は倒れた。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
私の幼い不思議な記憶。
なぜ透明なのか。お母様はどうして見れなかったのか。お母様が探していた京子はどこにいていたのか。“透明”についての研究はまだまだだが、これからもお姉様の協力を得て実験をしていきたいと思う。

でもそろそろ梅子姉様のお見合いだわ。
梅子姉様は綺麗な顔立ちだからお見合いの御約束事が沢山あるけど、梅子姉様はある人に夢中みたい。なんでしたっけ。お若い御当主様だったような…
まぁですが梅子姉様ならうまくやれるでしょう。








“そう言ったのが駄目だった”

5/21/2024, 1:02:49 PM