もう一つの物語。私が『耳の聞こえる』人生だったら。
コミュニケーション能力に問題はないだろうが、なぜか想像すればするほど…
とてつもなくワガママで、好奇心いっぱいで周りを振り回してそうな子どもになってたんではないだろうか…と思えてくる。
そう考えてみると、産まれてからずっと聴覚情報が不足していたからこそ、臆病な性格で私の安心できるテリトリーがとても狭かった。
幼いながらも、たとえ一人で出掛けても、必ず近所の知ってる場所しか行かなかった。また、暗くなる前に自ら早く帰るようにしていたし、顔見知りの相手であっても話しかけるようなことも一切無かった。
だからか、親からも「遠くへ行かないこと、危険な場所は行かないように、知らない人にはついていかないように」などとは言われた事はあまりなかった。
(覚えていないだけかもしれないが)
私は耳が聞こえないことで、臆病で内向的な子どもだった。
しかし、それこそが自ら危険へ飛び出す心配のない、すなわち幼児期で生き残るための生存戦略でのマインドだったのではないか?
そう考えてみると、ネガティブに取られがちなこの性格も実は悪くはなかったのだなと思う。
10/29/2023, 2:11:40 PM