あの子とのルールを破ったから
あの子は僕の前に現れなくなった。
いや、現れていたかもしれない。
僕はあの子が見えなくなった。
あの子はきっと霊なんだと思う。
あの子は最初から自分が霊だと言っていた。
僕がそれを勘違いして
「レイちゃん」だと認識していた。
あの子とのルールは
レイちゃんと遊んだことを話してはいけない。
必ず1人になってから遊ぶ。
夕方から夜になってから遊ぶ。
それから毎日レイちゃんと遊ぶこと。
僕はこのルールを破った。
僕はこれを両親に話してしまった。
いつもは夕方に遊ぶのに
あの日レイちゃんは夜遊びたいって言ったから。
僕はまだ子供だったし両親に話さないといけなかった。
その時はルールなんて忘れてたけど
あの日からパッと居なくなってしまったから
僕はルールを破ったんだって気づいた。
このルールは破っても良かったのかもしれない。
─────『ルール』
4/24/2024, 11:22:43 PM