谷折ジュゴン

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創作 「理想のあなた」

全ての分野を完璧にこなすのは、まさに雲を掴むような話だ。 かといって、特定の分野で活躍を続けることができるのはほんの一握りの人だろう。

わかっているのに、理想を描くのはなぜなのか。あなたのコピーには成りたくないと、主張した所で今の私が嫌で仕方ないから虚しいものだ。

おそらく理想は劣等感の裏返しなのかもしれない。あるいは劣等感が理想を生むのか。どちらにせよ、自身に求めることが増える程、理想も大きくなる。結局、自分だけでは完結できなくて、身近な人や他人にまで理想を抱くようになる。

理想を抱くだけならまだしも、押し付けられたらたまったものではない。いちいち失望され、自分でも嫌悪し、さらに失望され、また自己嫌悪。

こんな悲しいループが起こるくらいなら、始めから達成できる目標を立てて地道に進む方が確実だと私は思う。

「っと、こんなもんだな。まだ改善できそうだけど今日はこれくらいで良いや」

彼の作文の上達はまだまだ先になりそうです。

5/20/2024, 9:56:37 PM