「言葉を付け足せば、『飲もう二度ときめいた豪華ビュッフェで』とか、こじつけることは可能か」
頼もう二度、とりカツを。
某所在住物書きは天気予報を確認しながら、黄砂の予報にため息をついて、目薬などひとつ。
黄砂が冬に来ないのは、黄砂発生源を雪がフタしているからだとか、なんとか。
黄砂発生箇所がずっと湿っていて雪や雨に覆われていれば、もう二度と黄砂は発生しないのだろう。
「まぁ夢物語よな」
黄砂飛来予測を見ると、北海道と青森県にはほぼ飛来しないようである。
北海道はたしか、スギ花粉がほぼゼロのはず。
「移住したら花粉症とぜんそく……」
なお北海道の冬は極寒。移住は春に限定した方が良いかもしれない。
――――――
スギ花粉に黄砂。ぜんそく持ちや花粉症持ちには、厳しい時期となりました。
気候が変動してナントカ風が大蛇行しているというなら、ついでに黄砂も蛇行して、もう二度と日本に来てほしくないと思う物書きです。
今日は「もう二度と」と題して、こんなおはなしをご用意しました。
前回投稿分と繋がるおはなし。
「ここ」ではないどこかの世界に、「世界線管理局」という厨二ふぁんたじー組織があり、
そこには、敵対組織から「ミカン休暇」と言われて酷く恐れられている、あるいは諦められている、
とても恐ろしい、警備システムがありました。
ミカン休暇は管理局の、主に経理部近辺で見られる、一連のシステムの総称。
経理部の天才エンジニアであるところの、ビジネスネーム「スフィンクス」が、設計してメンテナンスして、運用しておるのです。
24個の「しらぬい」の形をしたミカンが、エリートしらぬいミカン、デ□ポンの指揮でもって、
あっちをパトロール、そっちをパトロール。
24+1個の不知火の、どれか1個にでも見つかれば、そこでそのスパイはバイバイ、さよなら。
敵性人物侵入の情報が全不知火&ポンデコに共有され、コロコロコロ、ころころころ!
たちまちミカンに捕まって、ベルトコンベアのように所定位置まで輸送されて、
スフィンクスが待ち構えているコタツの前に引き出され、その後は「もう二度と」、自分の所属組織に戻れないのです。
ところで経理部の「スフィンクス」ですが、
その日は収蔵部のドワーフホトと一緒に、アンゴラおばあちゃんの魔法の喫茶店で「雲りスープ」の試食会に行っておりまして。
そうです。前回投稿分の、アレです。
「スフィンクスが居ないならこっちのモンだ!」
管理局をイチバン敵視しているのが、同じく「ここ」ではないどこかの組織、「世界多様性機構」。
「スフィンクス不在の情報が漏洩するなど、このチャンスはもう二度と来ない。行くぜぇ!」
ここのスパイ部門の特潜課、「ミカン休暇」の怖さを知らぬ若手が、出世欲を出して管理局に潜ります。
「へへへっ。管理局に爆弾ひとつでも設置できれば、ワシは昇給間違いなしだ。 ひとつと言わず、大量に爆弾隠して、局内を荒らし回ってやる!」
はははっ、ヒャーハハハ!
機構の若手スパイさん、まんまとスフィンクス不在の間に管理局に忍び込んで、それそれ、ほれほれ。
お手製の小さなチート爆弾を、あっちにポイポイ、こっちにポイポイ。設置します。
「よし、カウントダウン……」
爆破のカウントダウン、スタート!
スパイさんが爆弾の、遠隔スイッチを押しますが、
いったい何がどうなってるやら、設置した爆弾はオンラインにならず、スイッチも信号を発信できず。
代わりにあちこち、コロコロ集まってきたのが、
そうです、ミカン休暇の不知火とポンデコです。
ビーッ、ビーッ、ビーッ!
不知火とポンデコは、警戒音をけたたましく鳴らして、スパイさんに向かっていきます。
「やかましい!やかましいわ!」
スパイさんはミカンを踏み潰そうとしますが、
不知火もデ□ポンも、すばしっこくて踏めません。
「くそっ、やかましいわ、やかましい!!」
スパイさんは知らなかったのです。
てっきり不知火とポンデコはただの監視カメラで、スフィンクスさえ居なければ何も怖くないと、勘違いしておったのです。
スフィンクス御主人様の命令を、自分で考えて、集団で協力して解決できる不知火とポンデコは、
スフィンクスからの指示を待たず爆弾解除と回収ができるし、妨害電波も出せるのです!
「離せッ!はなせぇー!!」
結果、出世欲に負けて管理局を荒らしに来たスパイさんは、誰にも気づかれず誰からも危険視されず、
コロコロ、ころころ。
しらぬいの形をした複数個に捕まって、コタツまで輸送されて、コタツの中にスポン!
押し込まれてからもう二度と、「ミカン休暇」によって、コタツの外へは出てきませんでしたとさ。
3/25/2025, 4:35:02 AM