回顧録

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誰よりも、ずっと一緒に居た。もはや家族よりも長い時間を共に生きている。だからもう好きとか嫌いとかそういう次元じゃないと思っていた。
そんなに長くいると、会話をせずとも意思疎通ができる。
あいつは顔に出やすいから、というのを差し置いても俺はあいつの事を知っている。誰よりも、ずっと。あいつよりも。
でもそれはあいつだって一緒だ。あいつだって俺をわかっている。自分の限界には気づけないくせに、俺の機嫌は察せる。
だから、俺の気持ちもわかっていると思っていたのだ。

誰よりも、ずっとわかっていたはずなのに、忘れていた。
あいつは自分のことになると鈍感だった。

『誰よりも、ずっと』

人の決死の告白「ええよ、どこ行くん?」で済ませやがった!
そんなお決まりのボケをホンマに言うやつ居るのかと思っていたが、めっちゃ近くに居た。灯台もと暗し、ちゃうねんアホ!


作者の自我コーナー
いつもの。ギャグっぽくなりましたが、鈍感なのは自己評価が低いからです。いつか王子様が呪いを解いてくれるといいんですけど、あの人照れ屋だからなぁ…。

4/10/2024, 9:09:44 AM