REINA

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自転車に乗って



小学生の頃、幼なじみの彼と2人乗りで自転車に乗った。
風がとても心地よくて、彼のお腹に回した手が何だか熱く感じて、少しドキドキしていたのを覚えている。

あの頃は、その胸の高鳴りが恋だとは思っていなくて、単純にスピードを出していたから、ドキドキしてたんだと思ってた。

中学生になったら、お互い少し距離を取るようになった。クラスが違ったというのもあるけれど、それ以上に何だか恥ずかしかったから。でもそれと同時に淋しい気持ちになった。たまに会えば挨拶くらいはするけれど、そんな距離感。

変わったのは、高校生になってから。
同じ学校を志望していたと知ったのは、入学式を終えて、教室に入った時。しかも同じクラスだった。

私は嬉しくて「おはよう」と声をかけた。
向こうも驚いた顔をしたけれど「おはよう」と声をかけてくれた。

それから彼は高校でもバスケ部に入った。私はなぜだか、バスケ部のマネージャーに志願した。
話す機会が増えて、また前のように普通に話せる幼なじみになった気がする。

彼が久しぶりに一緒に帰ろうと言ってくれた。嬉しかった。小学生の時みたいに、自転車を2人乗りした。
高鳴る鼓動はこれが恋だと告げていた。

8/14/2024, 11:27:59 AM