見つめられると、逃げたくなってしまう。
私はいつだって自分の何もかもに自信なんてなくて
一流になりたいという気持ちだけは一丁前にあるくせに、そこまで堅実でコツコツ積み重ねるような日々は送れていない。
私が私を見つめる。
自分が一番自分の生活の隅々まで知っているから、
自分の脳が、心が囁く。
そんなことじゃお前は中途半端なままだ。
いつまで経っても中途半端で、そんなので生きている意味なんてないだろう。
◯歳なのに何もかも知らない。特筆した技能も持ち合わせていない。中途半端な実力の芸術が残っているだけ。
そんなお前に価値なんてあるのか。
ないだろう。
やりきれよ、生きてて恥ずかしくないのか?
ずっとずっと聞こえてくる。
やり抜いてきた人たち、プロフェッショナルの世界で生きている人に自分を見つめられたくないのだ。
こんなどろっとした自意識が降りてくる。
何もかもを辞めたくなる。私より優れた人ばかりなのに、何もかもする意味ないじゃないか。
技能の高さだけじゃなくて個性ですら私と似たような人ばかりなんだ。
同じテーマ、同じモチーフ、同じような実力もっと上の実力の人たち。私より深くて広い知見を持つ人たち。
何人もいる、いくらでもいる、苦しい、苦しい。
だから何度も辞めようとした、苦しくて恥ずかしくて。
それでも私は気づけばやってしまっているんだ。
誰と比べたって比べなくったって、そもそも私はやりたくてやっていたんだ。
やり続けるしか生きていけないのだから、私はいくらでもやっていってやろう。
私にしか彩れない人生を見せつけよう。
【見つめられると】
3/28/2024, 3:59:23 PM