ジリジリ、肌が焼けている気がする。
ビーチパラソルの下にいても日差しが強いのが分かる。
今日は任務で一般人に混じって対象の観察をしているため目の前に海はあるが入る事は叶わない。
トロピカルジュースを可愛らしいストローで飲んでみれば涼しくはなるがそれは一瞬。
いっそなにか事を起こしてくれればこちら側が動けるのに、なんて物騒な事を考えていたらパラソルの中に赤い髪の男が入って来た。
「今、物騒な事考えてるだろ」
耳元で話すその姿は周りから見たら恋人同士戯れているようにしか見えないだろう。
「仕方ないじゃない。暑くてどうにかなりそう」
「あと、1.2時間ってところだな」
「無理」
テーブルに項垂れてると隣から視線を感じたのでそのままレノの方に顔を向ける。
「俺はお前とこうしていられるから悪くないぞ、と」
頬をムニっと摘まれながら任務の時とは違う表情で微笑まれてしまい、もう文句が言えなくなってしまった。
今、体が熱いのはきっと日差しだけのせいじゃない。
-日差し-
7/3/2024, 10:03:17 AM