「私とあなたじゃ住む世界が違う 第十九話」
「じゃーん!コレがメイデンソードだよ!」
志那は、手に入れたメイデンソードを高々と持ち上げて自慢していました。
「スゲー!ゲームの世界からよく持って来れたよな?どうやって?」
スプライトは、目を輝かせていました。
「フツーに持って来れたけど…何で?」
「いやな、ゲーム世界のアイテムは外に出ると消えるシステムなんだが…」
カインドは、眉をひそめて疑問に思いました。
「多分、極地の影響でしょう。極地の力は不思議な力をもたらす事もありますから」
アメジストは、推論を言いました。
「んで、どうやって戦うの?コレ…」
志那は、目を点にしてメイデンソードを触っていました。
「あ…技や術の使い方か…志那は、戦い方なんて知らないよね」
スモークは、少し戸惑いました。
「そう言えば、カインド達は最初会った時にナイトメアの手下追ってたよね?何で?」
志那は、カインド達に聞きました。
「そりゃあ、報酬稼ぎさ。ナイトメア一味は賞金高いんだ」
ロードは、自慢する様に言いました。
「その為にも、もっともっと強くなって、ナイトメア本人を仕留められる様にならないとな!」
スプライトはケンカする様に拳を握りしめていました。
「アメジストさん、出来れば林檎王子の拠点で修行させて下さい。林檎王子だったら、かなりの実力がありますし…」
スモークは、アメジストにお願いしました。
「俺達、強くなりてーんだ!」
スプライトもお願いしました。
「お願いします!アメジストさん」
ロードもお願いしました。
「アメジストさん、皆の願いを聞いてやってくれ。お願いします!」
カインドがお願いすると、
「……」
アメジストは、考え始ました。
「…実は、君達に言っておかないといけない事があります。俺は、グループを去った身なのでメンバー全員の協力を仰ぐ事は難しいでしょう。それとは別に、メンバー全員がセラフィの呪いに掛かっていて、襲い掛かって来るかも知れません」
「つまり、危険って事か?」
ロードは、アメジストに聞きました。
「そうですね…」
アメジストは憂いの表情を見せました。
「そこで一つ、提案があります。林檎王子のライバルグループならセラフィの注意が行き届いていないから影響を受けていない可能性が高いです」
「と、言う事は…!」
スプライトは、アメジストを眼力の強い目で見つめました。
「ひょっとしたら、事情を話せば協力してくれるかも知れません」
「やったー!…えーと、何て名前のグループかなぁ?」
スモークは、アメジストにライバルグループの名前を聞きました。
「パズルです」
「パズルって、前にコラボした歌い手グループの事だよな?男6人の」
カインドは、嬉しそうでした。
「パズルだったら、実力もあるし、修行には良いんじゃない?」
志那は言いました。
「志那が言うんだったら、大丈夫だよね!」
志那の言葉を聞いたスモークは、笑顔になりました。
「じゃあ、パズルの拠点を目指すぞー!」
「スプライト、ノリノリだな…」
ロードは、少々引き気味でした。志那達は、遠足でも行くかの様に期待に胸を膨らませていました。
「…パズルですか。何か不安要素がありますが…」
アメジストは、浮かない顔でした。
9/17/2022, 11:09:37 AM