月見茶

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快晴
 
 学校から帰宅する途中、雨が降ってきた。
 有栖は、持っていた傘を差し、バス停へと向かう。彼の視界には藍色の生地と薄暗い空で満たされた。
 有栖は今日、花見に行くつもりだった。たが、無理だろう。
 暫く歩き、目的の場所へと辿り着く。有栖は、傘をたたみ、屋根の下へと避難する。瞬間、あまりの物音がする。
 有栖が驚いたように上を見上げると、桜の枝が屋根の上を叩いていた。
 
 バスが来るまで残り5分くらいになった時だった。
 有栖が読んでいた本に突然光が差した。彼が顔を上げると、青空が目に入った。
 雨が上がったのだ。綺麗な青が有栖の目に入る。
 有栖は、バス停から外へ出た途端、目を見張った。
 そこには快晴と雨に洗濯された桜があった。

4/13/2026, 10:44:29 AM