Theme:太陽の下で
昼間の公園。太陽の下で、俺はベンチに座って人を待っていた。
待ち人が来るまで、まだまだ時間がある。
俺はぼんやりと周囲を眺めていた。
昼間の公園は賑やかだ。
小さな子供を見守る親御さん(らしき人)、花壇の手入れをする年輩のボランティア団体、犬の散歩をする初老の夫婦。
太陽の下の公園は明るくて生のエネルギーに溢れている。
…正直、俺には眩しい世界だ。眩しくて、まるで夢のような世界。
日も落ちかけて人も疎らになった頃、ようやく待ち人が現れた。
と言っても、彼は俺に気づかず公園を通りすぎていく。
夕闇に溶け込むような黒い服に着替えた俺は、彼の後を一定の間隔を保ったまま追いかけた。
ポケットにバタフライナイフを忍ばせて。
明るい太陽の下より、一筋の光もない闇夜の方が俺にはお似合いだな。
そんなことを考えながら、彼が人気のない路地に入ったところで俺は気配を殺して彼との距離を詰めていった。
11/25/2023, 2:36:33 PM